Q夫と離婚をするに当たって,財産分与を請求しようと思います。夫は,自宅を私にくれるから,預貯金は全部自分が取ると言っています。 これで,何か問題がありますか。---離婚解決はむさしの森法律事務所へ
財産分与が均等に夫婦間で分割するのであれば特に問題はありません。
その場合に,均等であると分かるように,きちんとした財産評価をしておくことです。
しかし,自宅をもらうとなると色々問題があります。
過大となるとすると,調整するためのお金を代償として支払わないと,税金の問題が生じる可能性があります。
〈1〉自宅に住宅ローンがまだ1000万円残っているのですが,この場合にはどうなるのでしょうか。私は,パートで働いており月収も10万円くらいです。(クリックすると回答)
ローンの債務者が夫である限りは,離婚後の支払を継続するかは夫の「良識」を信用するしかありません。
そのために,きちんと支払いが夫から約束されて,収入の保障もある場合なら別として,自宅を取ることは賢明な選択とは言えないと思います。
〈2〉自宅には,住宅ローンを含めて借金の抵当権はついておりません。私も子どももなじんだ家ですが,もし私が将来的に再婚する場合には,問題になりますか。(クリックすると回答)
再婚そのものとの関連で法律的に問題はないと言えます。
しかし,気持ちとしてどうでしょうか。感情の問題と言ってしまえばそれまでですが,前夫との生活の記憶が残るところで新しい再婚生活を送ることに対する抵抗があるかどうかです。
もっとも,割り切って,財産分与で受け取って,その後に自宅を売却してしまうことも方法としてはあり得ます。
【参考となる条文】
民法768条
1項
協議上の離婚をした者の一方は,相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2項
前項の規定による財産の分与について,当事者間に協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,当事者は,家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし,離婚の時から2年を経過したときは,この限りでない。
3項
前項の場合には,家庭裁判所は,当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して,分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。