Q夫が,大声でののしったり,実際には殴らなくとも殴ろうとすることが頻繁な場合に,離婚は認められますか。---離婚解決はむさしの森法律事務所へ
暴力や虐待については,「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する場合には離婚の請求が認められるしています(民法第770条1項4号) 。
「婚姻を継続しがたい重大な事由」としては,直接的な身体に対する暴力が含まれるのは当然ですが,精神的な暴力も含まれます。
精神的な暴力には,脅し・威嚇も含まれるとされています。
それは,心身に対する支配の手段と考えられるからです。
筆者の経験では,過去においては,裁判官も文字通りの肉体に対する暴力以外の精神的な暴力への理解が,必ずしも十分ではなかった時代もあったと記憶しています。
しかし,DVという言葉の浸透と,DV法の成立を受けて確実に変化をしていると思います。
だが,「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当すると判断をさせるには,夫の言動だけではなく,それまでの夫婦関係や,背景事情もしっかりと証明をしなければなりません。
従って,
「大声でののしったり,実際には殴らなくとも殴ろうとすることが頻繁」という現象面を主張立証するだけでは,必ずしも離婚が認められるとは言い切れないと思われます。